ブランドへの誤解

2021年06月15日 ブログ

 

 

 

私たちは暮らしの中でなんらかのニーズが発生したときに膨大な選択肢から「ブランド」によって絞り込んでいます。言い換えるとニーズに対するアクションを検討する際に、「ブランド」がなければ情報を処理し、判断を下すことが難しくなります。
ブランドという言葉は私たちの生活にかなり浸透していますが、その意味についてはまだまだ誤解が多いように思います。

 


 

まずブランドは高級品の証であるという誤解。例えば「メルセデス・ベンツ」「ルイ・ヴィトン」「柿右衛門」といえば高級品ですし、誰もが認める「ブランド」です。では「ユニクロ」「無印良品」「イケア」だとどうでしょう。取り扱っている商品は決して高級品ではありません。むしろ誰もが買いやすい価格設定になっていまが誰もが「ブランド」だと認めているはずです。

 

単純に「差別化」するための要素としてロゴマークやデザイン、ネーミングなどがあればブランドとして成立するというものも大きな誤解です。それらはもちろん差別化戦略の1つの手段ですし、ブランドを成立させるためのファクターですが、それだけでブランドが成立するものでもありません。

 

 

大切なことは、ブランドというものは「こうすればブランドになる」と考え、取り組んでもそれだけで成立するものではないということです。ではどうすればブランドとなり得るか。

ユーザー(消費者、顧客)である私たちが「この商品には☆☆という価値がある」と認めた時、その商品は初めて購入動機となる価値を持ち、競合商品に対する差別化要因となります。つまり「焼印」です。商品価値やその目印となる記号がユーザーの心に積み重なっていくことでブランドが形成されていきます。

つまりブランドとは企業が「☆☆と思ってほしい」という意図がユーザー(消費者、顧客)に伝わり、「☆☆と思うよ」と思ったときに初めて成立するものです。ユーザー抜きの企業都合だけでは形成されないということがおわかりでしょうか。

 

 

世の中の「ブランド」と言われる企業も、私たちと同じ無名な企業からのスタートだったのです。上記に上げた「メルセデス・ベンツ」や「ユニクロ」といったブランドも『私たち(商品・サービス)をこういうふうに思ってほしい』という理念のもと、商品を作り改良を続け、理念を届ける広告やキャンペーンを展開してきた積み重ねの上で、現在、私たちが想起するブランドイメージというのをつくってきました。

 

ブランドづくりを行っていく場合は、目先のロゴやデザイン、ネーミングにとらわれずに『私たち(商品・サービス)をこういうふうに思ってほしい』という理念づくりから進めていきましょう。

 


 

 

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