
産業支援センターは中小企業診断士などの資格を持つ産業コーディネータが創業に関することや経営相談にのる公的施設です。創業希望者には創業計画書の作成や創業融資のサポート、経営相談では産業コーディネータさんの経験や知識と幅広いネットワークを使い、ビジネスマッチングや補助金・助成金申請のサポートなどを行っています。 また新規創業者対象のレンタルオフィスも行っていて、資金的に厳しい創業時に格安で事務所を構えることができます。 実は私も独立後、入居していた思い出のある施設です。個人事業には広すぎるくらいのスペースがあり、また市内中心部という立地などが魅力です。
産業支援センターでは令和3年度(2021年度)から従来の創業支援、経営相談、インキュベーションという事業に加えて、新しくDX支援、スタートアップ支援を行っています。 DX支援はその名の通り、全世界的な潮流となっている企業のDX化を促進するための各種アドバイスやビジネスマッチング、そしてスタートアップ支援はスタートアップ企業を目指す方に対する各種支援や「Start Up 99」(西九州させぼ広域都市圏ビジネスプランコンテスト)の開催による新産業育成支援を行っています。 施設自体は現在の場所に移転する以前から存在していましたが、市民への認知が十分ではありませんでした。また、新しく始めたDX支援、スタートアップ支援を周知するためにも幅広い認知の獲得が課題となっていたことを背景にリブランディングを行いました。 社会的にITベンチャーやスタートアップ企業が注目を集め、また全国的にビジネスプランコンテストが開催されているとはいえ、創業支援施設というのはまだまだ一般の方にはなじみが薄い施設であることは否めません。 しかし国の政策にもなっているように、今後社会のデジタルシフトは急速に進んでいきます。AIに取って代わられてなくなる職業も多いと言われているなか、新しい社会のあり方に適応する支援をする施設にふさわしい姿。それが今回のリブランディングにおいて求められていることでした。 ブランドとは自身が「ありたい姿」「あるべき姿」と定義し、相手にも同様のイメージを持ってもらうことで成立します。「ありたい姿」「あるべき姿」とは自身の『らしさ』とも言い換えられるもので、他者が真似できない独自のアイデンティティーです。 産業支援センターが佐世保市の創業支援のシンボルとしてブランドになるためには、「ありたい姿」「あるべき姿」を定義し、活動自体を発信し、その存在感を示してていく必要があります。そのためのビジュアルシンボルとして愛称・ロゴの策定とウェブサイト(ホームページ)の構築を行いました。
愛称・ロゴの策定では関係者に対するヒアリングやアンケートをベースに議論を重ね進めていきました。支援する業務の幅が広く、また対象者についてもビジネスというベクトルは同じでも見据える未来は異なるため難航した部分もありましたが、なんとか着地しました。


支援センターのリブランディングは愛称・ロゴとウェブサイトで終わるわけではありません。 ウェブサイト(ホームページ)を通じた情報発信、Start Up 99をはじめとしてた各種イベント・セミナーの開催なども継続的に必要です。そして未来を指向する若い世代が刺激し合えるようなコミュニティの醸成していくことや、新しい時代を予感し、共感できるような場所の整備も求められます。やらなければならないことは山積していますが、VSIDEではそれらに今後取り組んでいかれるようです。つむぎラボでももちろん、さまざまな形でサポートしていくつもりです。 今後のVSIDEにご期待ください。
CL:佐世保市(https://www.city.sasebo.lg.jp) VSIDE(https://vside.jp)