
従来のウェブサイト(ホームページ)が開設より10年ほど経過しており、デザイン的に古さが否めないこと、また業務内容を情報が不足しているということからお話をいただきました。デザインの古さはもちろんですが、業務情報の不足についてヒアリングを行ったところ、 「プラスチック加工の会社であることは伝わっているが、実際にどのような業務をスタッフが行っているのかが伝わっていない。結果、求人をしても応募者の想定する業務内容と実際の業務とのミスマッチがあり採用に至らない」ということでした。
現状のサイトの情報を精査してみたところ、一時期多かったいわゆる「会社案内」的なサイト構成となっていました。つまり掲載されている情報もクライアント向けの一般的な業務案内や設備、機材の紹介であり、自社の対応は業務は紹介できていても、求職者に対する情報としては不十分なものでした。当時はBtoBビジネスを主とする会社のウェブサイト(ホームページ)には会社案内的な役割が求められていたという背景もあり、これで良かったのでしょうが、現在においてウェブサイト(ホームページ)の果たす役目も様々に細分化されています。 販売を目的とするECサイト、広告経由で集客、販売するためのランディングペーン時、ファンを醸成するマーケティングサイト、そして求人採用だけを目的としたリクルートサイト、企業のブランディングを目的としたブランディングサイト、さらに企業情報を広く伝えることを目的としたコーポレートサイトなどがあり、また小規模な事業者であればウェブサイトではなくSNSのほうがうまく行く場合もあり、インターネットを介したメディアはその目的や運用方法の数だけ細分化されていると言ってもいい状況です。 これはウェブサイト(ホームページ)が当初は情報を発信する側の都合で制作されていたものが、情報の受け手側の立場で制作されるようになったことに起因します。インターネットはプル型(情報を能動的に取りに行く)のメディアです。つまり必要な情報のためにウェブサイトなどのインターネットメディアを探している人にとって不要な情報はノイズでしかありません。そのためモノを買いたい人には販売のみの情報提供を、求人を探している人には求人情報をというように変化してきました。 ただし、こういった戦術は有効ではあるものの、資金力がないとできないことも確かです。そのため限られた予算内で複数の目的をうまくミックスさせることが私たちには求められていると感じています。
今回のご依頼では求人のミスマッチをなくすために樹脂加工の作業工程をこまかく取材し掲載することとしました。また結果的に、この取材を通じて会社の持つ「強み」を知ることにもなり、同時に行ったアンケートによるキーワード出しとあわせて、ウェブサイト(ホームページ)のコンセプトづくりがスムーズになりました。このサイトコンセプトはいわゆるブランドアイデンティティとしても機能するものとなりました。 このブランドアイデンティティを軸に会社の強みと同時に技術力のアピール、そして仕事の素晴らしさや意義を伝えるコンテンツを作成した結果、従来とは一線を画すウェブサイト(ホームページ)が完成しました。

ウェブサイト(ホームページ)リニューアルの動機は様々ですが、プロジェクトを成功に導くには企画段階で目的をはっきりさせ、そこに向かって必要なコンテンツ、機能を盛り込むことが大切です。ややもすると見た目のデザインやインパクトといった体裁に目が行きがちです。しかしそれらは最優先されることではないということを忘れないでいただきたいと思っています。ウェブサイト(ホームページ)に限らずさまざまな施策は企業活動の課題解決のためにあります。 つむぎラボではブランディングだけでなく、「求人」「販売」「マーケティング」などさまざまな課題解決に向けたご提案をいたします。ウェブサイト(ホームページ)などのアウトプットだけでなく、本質的な課題解決のためのブランディングまで幅広くサポートいたします。まずはお問い合わせください。
CL:冨士樹脂株式会社(https://www.fujijushi.com)
