
2016年版のものづくり白書における「今後3年間に優先される投資分野」において、最先端テクノロジーや設備の拡張、従業員報酬と教育の増加といった生産現場および人事教育に対する投資意欲は海外企業に対して勝っていますが、広告・マーケティング、ビジネスモデルの変革などでは大きな開きがあります。さらに国を挙げてDXによる競争力の底上げを推進しているにもかかわらず、マーケティング分野でのデータ活用は進んでいないのが現状です。


コロナ禍で改めて見直されるウェブサイト
製造業におけるマーケティング活動で最もなじみ深いのが「展示会」でしょう。自社製品・技術に実際に触れていただいた見込み客に対して、後日アプローチをするという手法は有効です。しかし長引くコロナ禍で新規顧客獲得の有力な手段であった展示会やセミナーが実施困難となり、テレワークが当たり前になったことで新規顧客や見込み顧客に会うことも難しくなっています。これまでの常識であった対面でのビジネスが困難な今、顧客と企業の接点が非対面の”インターネット”に集約されてきました。 そこで今、改めてウェブサイトの重要性がクローズアップされてきています。実際にコロナ禍において多くの企業がウェブサイトの改修図っている、または予定しており、テレワークやオンライン展示会の普及が進む中、営業・販促の手法もWEB活用による施策強化を重視する様子が伺える結果となっています。


ウェブサイト改修2つの視点
ウェブサイトを改修する場合に必要な視点が2つあります。 1つめは「ブランディング」の視点です。ブランディングというと、車やアパレルなど特定の製品を消費者に向けて宣伝する「BtoC」視点のイメージがあります。企業間取引を行うBtoB製造業では、製品の検討から販売までのプロセスが複雑であり、消費者とのつながりをイメージしにくいためブランディングが重要視されていないのが現状です。しかし、これは大きな間違いです。 現在では誰もが情報のアンテナを張りやすい環境になり、あらゆる面で競合他社と比較されやすい状況となりました。そのためビジネスだけでなく「広報・宣伝」、「採用・人事」など多岐にわたって、ブランドがあるほうが圧倒的なアドバンテージとなります。
ウェブサイトの改修というのは見た目のデザインを格好良くしたり、スマートフォン対応にすることでは決してありません。そんなところにコストをかけるのではなく、ユーザーのわざわざ自社のウェブサイトを訪問する理由を真剣に考え、彼らが欲しい情報をわかりやすく伝えるためのコンテンツ制作や、ケーススタディや技術情報を学べるホワイトペーパー製作とダウンロードできる仕組みづくりなどにかけたほうが良いということが理解できるでしょう。 もちろんそれらを勘案したうえで、必要な仕組みを導入できない、システム自体が古くてセキュリティの懸念があるなどの理由から全面的にリニューアルするということもあるでしょう。 そうした場合は時間も費用もかかりますが、自社のブランディングとマーケティングをいちから見直す絶好の機会となります。ぜひ良い戦略パートナーを見つけてマーケティングDXを推進してください。
